福岡のロハスピープル 倉地摩紀子さん

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ロハスピープル
福岡のロハスピープル、お一人目は倉地摩紀子さん。
小さい頃から健康オタクだった少女は、大人になった今も体の不思議さに興味が尽きない。 アロマセラピストでありヨギーニでもあり、バリ島にプチホテルototsumugi(オトツムギ)まで経営するようになったほどのバリ島好きでもある。 福岡とバリ島とを行き来する彼女。日々の喧騒の中で、自然体で過ごしてゆくそのロハスな生き方の秘訣をうかがってみました。
ロハスピープル No.01 倉地摩紀子さん
それは不思議な体験だった。
小学生のあるとき、下顎の中、舌の下あたりに腫瘍ができた。 大きく膨らみ痛いその腫瘍は非常に珍しく、大学病院の先生方が多数見学する中での手術になる予定であった。しかし、ある日を境にその腫瘍は忽然と消えた。 「ある日、弾けるような感じがしたんですよね・・・」。そして口の中に水があふれてきたと言う。 それっきり、その腫瘍は消えてしまった・・・。病院で検査しても本当になくなっているので先生方もびっくり。 その不思議な出来事が、少女を体の不思議の探求、そして健康オタクに導いた。

中学・高校時代は陸上部で活躍した。 そこでも健康オタク少女はすこし変わっていた 「いかに運動量を少なくして記録を伸ばすかを考えていました」。 サボりたいわけではない。 がむしゃらな運動だけでなく食事やリラクゼーションをとりいれた自分なりのカリキュラムを組んで記録を伸ばしていった。 自分の体で実験をしてゆくことで、体の不思議さに、改めて目覚め「もっと体の事を知りたい!」。そう思うようになった。 大学に進学を希望したが、その頃はまだ、スポーツ医療学、スポーツ科学、健康科学などの学科がなく、 当時すでに自分でカリキュラムを組んで、自分の体を使って勉強している健康オタク乙女には、 医学部か体育学部しか行くところがなかった。
そうして大学では体育学部に進んだ。 そこで運動生理学を学んで、ますます体の不思議さに興味が増した。
大学卒業後はエアロビインストラクター職を選んだが、体の酷使と日ごろの不摂生から体がぼろぼろに。 そんな頃、まだアロマという言葉すら知られていなかった時代に、アロマセラピーに出会う。人にも恵まれた。 インストラクターを辞めた後、病院付きのアロマセラピストとして独立。 人が心を開くとアロマのオイルの入り方が違うことも医師との連携でデータを採って確認した。 ここでも、また体の不思議さを体験する。しかし、人の体を触るうちに、月に1回は決まって熱が出るようになった・・・

その原因が何なのかを知りたくて修行の旅に出た。 これまでやってきた西洋式エステのようなものではなく、 東洋の気を使ったセラピーを、自分の体で経験しながら、いろんなところで学ぶためだ。 だから、スパで有名なバリに行くことも自然な流れであった。 しかし、そのバリで運命的な先生との出会いをすることになろうとは思ってもいなかった。

クトゥ・アルサナ氏。バリでは「神の手」と異名を持つカリスマヒーラーがその人であった。 「これが私がしたかった施術だ」 アルサナ先生の施術を受けたとき、なぜだか涙が流れてしかたがなかった。 そしてすぐに弟子入りを決意する。自分の直感には素直に従うのが信条だ。ヨガもアルサナ先生から習った。 「他人に優しくされることで、人は癒され、体が治ってゆく」そんな事を身をもって教わった。 その後は、日本で1日中患者さんを触っても、熱が出るようなことはなくなっていた。自分の直感に間違いはなかった。
バリのウブドではお店も開いた。 地元の人とのつながりを大切にしたいとの思いからである。 観光客相手に面白いようにランプが売れ繁盛した。 しかしそのお店も2年でやめ、近くに土地を借りて小屋を建てた。 そこが思いのほか気持ちよく「ここに住みたい」最初に建てたその小屋にいるときにそう思った。
その頃日本ではアロマセラピーが流行だしていた。 いくつものところから講義の依頼があり多忙を極めたのもそのころ。 稼いだお金をホテルにつぎ込む生活が続いた。
プチホテルototsumugiの建設は地元の人にお願いした。地元の人の雇用を確保することも念頭に入れてのことである。
バリでは、鳥の囀り、竹のふれあう音、子供たちの声、お寺から聞こえるお経など、自然な音であふれている。 そんなところでボーッとしていると、自分の心の声も自然とあふれてくる。 バリの音と自分の音が調和し、 何か新しい自分を紡いでくれるような場所にしたい。 そんな思いで、ホテルの名前をototsumugi(音紡ぎ)とした。
部分的に建て増ししてきたホテルも、2010年4月、ついに全体が完成。 新しく作ったスパでは滞在型のケア法の取得講座も開く。 そこでは、バリ政府認定のスパセラピストを養成する予定だ。
プチホテルototsumugiは完成したが、やることはまだ終わっていない。 ホテルの隣に、ヨガスタジオを作るのが夢である。


アロマの講師やヨガのレッスン、イベント主催など、最近では九州以外でも仕事を頼まれるようになった。
2011年2月からは、久留米市でベジカフェ「サンバル食堂」を経営するようにもなった。夢がドンドンと現実になってゆく。
そうやって、たくさんの人と触れ合い、その人本来の音を奏でられるように、 それぞれの人の思いを紡ぎながら、今日も日本各地で旅するように仕事をしている。
2011.4.3
文:島垣アキラ
ototsumugi 情報
ototsumugi株式会社 福岡県朝倉郡筑前町依井76-1
    http://ototsumugi.com
社長ブログ
    http://ameblo.jp/ototsumugi/
サンバル食堂
    http://ameblo.jp/warung-sambal